【#半導体企業研究】コスモエネルギーHD・丸善石油化学

半導体企業研究

コスモ石油・丸善石油化学

ココロも満タンに コスモエネルギーホールディングス

丸善石油化学株式会社

コスモエネルギーHDにおいて、丸善石油化学は、石油化学事業を構成するグループ企業として位置づけられています。

出典:コスモエネルギーホールディングス株式会社 2024年度 第2四半期決算説明資料

コスモ・丸善石油化学の半導体関連事業

 丸善石油化学が手掛ける製品の一つとして、フォトレジスト用樹脂が挙げられます。

 フォトレジスト(Photoresist)とは、Photo(光)とResist(耐える)の2単語から成る造語であり、光を使って回路パターンをウェーハ上に形成するフォトリソグラフィー工程で使用される薬品です。ポリマー(樹脂)・感光剤・溶剤・添加剤を主成分として光に反応してエッチングに耐える性能を持ち、これに回路パターンを露光・現像し、ウェーハ上にパターンを転写します。半導体製造のウェーハ工程(前工程)では光(紫外線)に反応するものが使用されています。

 1976年より丸善石油化学ではポリp-ヒドロキシスチレン(poly(PHS))を工業的に製造する技術を開発し、製造を開始しました。poly(PHS)の開発初期におけるターゲットの用途はエポキシ樹脂硬化剤だったが、80年代後半から、化学増幅型(CAR型)KrFレジスト向けの樹脂として試験的な応用が始まりました。その後さまざまな改良を重ね、KrFレジスト向けの新たなプロセス開発に成功し、poly(PHS)およびその類縁体を製造・供給してきました。
 現在では、CARレジスト樹脂の主要サプライヤーとして、KrF・ArF,さらにEUVレジスト樹脂や下層膜樹脂など幅広い範囲で適用されています。また、フォトレジスト用樹脂は開発型受注生産のカスタムメイド製品であり、参入障壁が高いとされています。

出典:コスモエネルギーホールディングス株式会社 2024年度 第2四半期決算説明資料

関連特許・要点抽出

半導体リソグラフィー用共重合体とその製造方法、および組成物|リンク

  • レジスト用共重合体としては、酸の作用によってアルカリ現像液への溶解性が低下するネガ型と、酸の作用によってアルカリ現像液への溶解性が増大するポジ型とがある。
  • ポジ型のレジスト用共重合体の必須成分
    > 半導体基板や下層膜に対する密着性を高めたり、リソグラフィー用有機溶媒やアルカリ現像液に対する溶解性を調整したりするための極性基を有する繰り返し単位
    > 非極性置換基が酸によって解離してアルカリ現像液に可溶な極性基が発現する構造を有する繰り返し単位
  • ポジ型レジスト用共重合体の具体例
    [KrF]
    > ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位と酸分解性アルコキシスチレン由来の繰り返し単位とを含む共重合体
    > ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位と酸分解性アルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含む共重合体
    > ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位の一部をアセタールで保護したポリマー等
    [ArF]
    > ヒドロキシアルキル基が置換した(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位と酸分解性アルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位とを含む共重合体
  • 水酸基を有する繰り返し単位はアルカリ現像液に溶解しやすい性質を有する
  • アルカリ現像液への溶解性は、共重合体の分子量によっても異なり、一般的に分子量が大きいほど溶解しにくく、分子量が小さいほど溶解しやすい
  • 分子量が小さく、水酸基を有する繰り返し単位の組成が高いほど、アルカリ現像液に溶解しやすい性質となる
  • 通常共重合体には分子量分布があり、「分子量方向の組成」が異なる
  • 分子量方向に水酸基の組成が異なっていると、設計通りのパターンが描けなくなる
  • 低分子領域に水酸基を有する繰り返し単位が多いとパターンのトップ形状が丸くなりやすく、逆に少ないとパターンのトップ形状が角張ったり粗雑になったりといった問題があった。このような問題は、パターンが微細になるに従って無視できなくなってきた。

参考資料・関連資料

コスモエネルギーホールディングス株式会社 2024年度 第2四半期決算説明資料|リンク

朝倉敏景(丸善石油化学株式会社), “PAGからフォトポリマーへ”, フォトポリマー懇親会ニュースレター, No. 96, 2021|リンク

半導体リソグラフィー用共重合体とその製造方法、および組成物|リンク

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました