破産申請したJSファンダリについて

JSファンダリは、独立系半導体ファウンドリ(受託製造企業)として、主にレガシープロセスを用いたアナログ・パワー半導体の製造を主力事業としていました。新潟県に拠点を持ち、国内各社との協業も進めていました。

JSファンダリ

株式会社JSファンダリ

工場沿革

新潟三洋電子
→三洋半導体製造
→オン・セミコンダクター新潟
→JSファンダリ新潟

設立経緯

米国に本社を構えるオン・セミコンダクターの新潟工場として創業していた拠点であったが、オンセミのファブライト化戦略の一環として売却を検討。

その買い手として、日本の3社(マーキュリアインベストメント/産業創成アドバイザリー/福岡キャピタルパートナーズ)が名乗りをあげ、共同で買収。 運営会社としてJSファウンダリ、その子会社である事業承継会社としてJSファウンダリ新潟をそれぞれ設立。 また、この買収のための準備会社として、ジャパンスペシャリティファンダリを事前に設立していた。

主力事業

外部から委託を受け製造を行う独立系ファウンドリ事業を展開。6/8インチウェーハを用いたアナログ・パワー半導体の製造が主力。直近ではSiCパワーデバイスの製造も検討していた。

国内企業との連携

サンケン電気

サンケン電気がJSファンダリの工場の一部を使って生産能力の拡大を図っていた。
パワー半導体大手のサンケン電気株式会社が本県に半導体の生産工場(生産子会社:新潟サンケン株式会社)を新設します

パワー半導体大手のサンケン電気株式会社が本県に半導体の生産工場(生産子会社:新潟サンケン株式会社)を新設します。同社からの進出報告がありますのでお知らせします。

  • サンケン電気株式会社(本社:埼玉県)は、パワー半導体大手で、製品は自動車を始め、民生機器、白物家電、産業機器などに幅広く供給しています。
  • 新潟サンケン株式会社は、株式会社JSファンダリ新潟工場の既存の半導体生産工場用の建屋を賃借し、同敷地内に5月16日に設立しました。
  • 半導体はデジタル社会やグリーン社会を支える重要な産業基盤であるとともに、地域の雇用や経済を牽引する重要な産業であることから、県では設備投資(補助金等)や人材確保等に対し支援を行ってまいります。

オキサイド

オキサイドとは、溶融法SiCウェーハの開発製造に関して業務提携を締結していた。
株式会社オキサイド:溶液法SiCウエハ事業においてJS ファンダリ社と業務提携に関する基本合意書を締結しました
オキサイド社との溶液法SiCウエハ事業における業務提携について

  1. 業務提携の目的
    近年、高性能なパワー半導体を実現するため、シリコンに代わる次世代パワー半導体材料としてSiC、GaN、酸化ガリウムなどが注目を集めています(注1)。当社では、次世代パワー半導体材料として溶液法SiCウエハの事業化に取り組んでいます(注2)。 溶液法は従来の昇華法に比べて、欠陥が少なく高品質なSiCウエハの製造が可能と見込まれています。溶液法 SiC パワー半導体の社会実装を果たすためには、当社が取り組むウエハに加えて、製造バリューチェーン(注3)を構築することが重要です。特に、研磨やエピタキシャルは、SiCパワー半導体の性
    能に直結する重要な工程です。このため、当社は国内初の独立系ファンドリ専業企業でありパワー半導体の製造工程全般において豊富な実績と知見を有する株式会社JSファンダリと業務提携いたします。
  2. 提携先株式会社JSファンダリについて
    JS ファンダリは国内で初となる独立系ファンダリ専業会社として設立され、アナログパワー半導体の前処理、裏面処理、EPI積層、チップサイズパッケージなどの加工・製造を行っています。国内大手IDM、米系大手IDM傘下の製造拠点という経緯を持ち、それらのパワー半導体技術をベースにファンダリサービスを提供しています。既存キャパシティの拡張を計画しており、将来的には化合物半導体への参入も視野に事業展開を行っています。

TOPPAN

TOPPANとは、TOPPANを窓口としたパワー半導体の受託製造事業を行っていた。
凸版印刷、パワー半導体事業に参入 | 凸版印刷

凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、パワー半導体向けの受託製造ハンドリングサービスを2023年4月より提供開始しました。
 本サービスは、ウェハ(※1)製造キャパシティの確保が困難な車載・産業機器・ファクトリーオートメーション向けをはじめとするパワー半導体を対象として、デバイスメーカーが保有するウェハ製造プロセスのポーティング(※2)と、ウェハ製造を凸版印刷が受託するものです。ウェハ製造プロセスは、株式会社JSファンダリ(本社:東京都港区、代表取締役:岡田 憲明、以下JSファンダリ)との協業契約に基づき、同社の新潟工場(新潟県小千谷市)内に構築されます。
 本サービスを利用することでデバイスメーカーは、自社の製造工場でパワー半導体の旺盛な量産需要に応えつつも、その煽りで出荷困難になりがちだった多品種小ロット品についての安定供給が可能となります。 

まずは6インチウェハ(直径約150mm)プロセスのポーティングおよび製造代行からサービスを開始し、「エピタキシャル工程(※3)」「裏面工程」など、ウェハ製造に関わる部分的な加工のみにも対応します。そして、2024年度内には8インチウェハ(同約200mm)プロセスにも拡大させると同時に、凸版印刷の半導体設計子会社である株式会社トッパン・テクニカル・デザインセンター(本社:東京都台東区、代表取締役社長:小鹿 和繁)による、パワー半導体の設計から製造までを請け負うターンキーサービスの提供も開始する予定です。 

補助金

新潟県から50〜60億円の補助金支給が決定していた(実際に支給されたかは不明)。また、経産省からのパワー半導体向け補助金の可能性も報道されていた。

破産申請

負債総額約160億円。設立当初の大口顧客であったオンセミ向けの受託製造がなくなり、売上が大幅減。中国との価格競争やSiC関連の技術競争の激化も追い打ちに。

株式会社JSファンダリに関するお知らせ|株式会社マーキュリアホールディングス

株式会社マーキュリアホールディングスの中核会社である株式会社マーキュリアインベストメント(以下、「MIC」といいます。)のファンドからの投資先である株式会社JSファンダリ(以下、「JSファンダリ」といいます。)において、7月14日に東京地方裁判所に破産手続開始の申立てがなされ、その決定を受けて事業停止状態となっております。

 MICは、ファンドからの投資以降、JSファンダリに対し営業面、資金面、経営管理面と様々なサポートを行ってきました。

 しかしながら、昨今の為替情勢、米国関税問題、JSファンダリの主力製品であるパワー半導体の需要低迷等により、経営不振が続いていました。
そのような状況下、JSファンダリにおいてこれ以上の事業継続は困難という判断となり、本日破産手続開始の申立てがなされました。

 今後のJSファンダリの破産手続きについては東京地方裁判所、破産管財人の監督のもとで行われることとなりますが、MICとして引き続き職員の再就職支援をはじめ最大限のサポートを行ってまいる所存です。

地域の対応

本日、破産申し立てがありました株式会社JSファンダリは、その前身である三洋半導体製造株式会社の時代から、市内で最も多い500名を超える従業員を雇用し、長年、アナログ・パワー半導体製造業界の発展に多大なる貢献をされてきました。
当市にとって、半導体関連産業は地域に多くの雇用を生み出し、地域経済を支えてきた最も重要な産業の一つと考えております。

この度、創業する段階から支援してまいりました株式会社JSファンダリが、このような形で破産申し立てをし、従業員を即時解雇したことは、大変残念に思っております。

現在、可能な限り雇用が継続される方法を見出すため、関係者から情報収集し、協議をしております。

また、敷地内には、複数の企業が操業しており、今後の継続的な稼働についても、関係者と協議をしております。

半導体関連産業の再建と雇用の確保、敷地内にあります企業の継続的な稼働について、全力で取り組んでまいります。


令和7年7月14日

小千谷市長 宮崎 悦男

破産申し立てをした株式会社JSファンダリに対するメッセージ – 小千谷市ホームページ

今後 *中の人の妄想を含む

国内の同業他社が工場を買収?考えられる候補は、三菱電機、東芝デバイス&ストレージ、富士電機、ローム、サンケン電気、ルネサス、、、ただ、自社の設備投資と外部環境から買収する余力があるのか もしくは他の半導体企業が買収して設備を入れ替えて利用、、、ラピ… 後工程向けのOSATとしてOSAT企業が国内外問わず買収するかも…(わかりません)

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