経済産業省ニュースリリース
2025年11月21日
情報処理の促進に関する法律に基づき、Rapidus株式会社を選定しました (METI/経済産業省)
概要
「情報処理の促進に関する法律*1」に基づき、「指定高速情報処理用半導体*2の生産施設の設置並びに「指定高速情報処理用半導体の試作及び需要の開拓その他の指定高速情報処理用半導体の生産を安定的に行う」ために必要な取組を最も適切に実施することができると認められる者を選定するための公募*3を2025年9月3日から同年10月2日まで実施したところ、Rapidus株式会社から応募があり同社を選定。
情報処理の促進に関する法律()
生成AIの利活用の急速な拡大に伴う計算需要の大幅な増加に対応するため、それに関連するハードウェア・ソフトウェアに関する支援、必要な財源を確保し、大規模な官民投資を誘発することが目的。
「情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案」
第217回通常国会
可決・成立:2025年4月
施行:2025年8月

指定高速情報処理用半導体
情報処理の促進に関する法律第六十一条第一項の規定に基づく経済産業大臣が指定する半導体
=
演算を行う半導体であって、面積が0.0187μm2以下の電子回路(6個のGAA構造のトランジスターで構成されるものに限る。)をその内部に含むもの

選定するための公募・選定までの流れ
【公募期間】
受付開始:2025年9月3日(水)00時00分
受付締切:2025年10月2日(木) 23時59分 ←(締め切り済)
【応募会社】
Rapidus株式会社
【選定までの流れ】
Rapidus株式会社が応募に際して提出した実施計画について、法律および指針*に基づく審査・評価
*(法第63条第1項に基づき定められた令和7年経済産業省告示第127号)
法律に基づく諮問の結果、外部有識者からなる産業構造審議会・次世代半導体等小委員会からも審査の結果選定することが適当である旨の答申が11月18日付けで発出
Rapidus株式会社の実施計画
概要

Rapidus株式会社の投資計画・資金調達計画
投資計画
【2ナノ】
研究開発:約2.6億円
量産投資:約1.6兆円
【1.4ナノ~等】
研究開発・量産投資:3兆円~見込み
資金調達計画
【委託費】
~2025年度:約1.7兆円
2026年度:約6300億円
2027年度:約3000億円
【政府出資】
2025年度:約100億円
2026年度:約1500億円~ *民間出資金額も踏まえて検討
2027~28年度:現物出資
【民間出資】
2025年に約1300億円程度を見込み、今後トータルで1兆円規模の民間出資確保を目指す。
【民間融資】
政府債務保証も活用し2兆円以上の民間融資の確保を目指す
【自己資金】
2027年度~ 売上等による自己資金を活用

現時点の技術的基礎と今後の技術開発

前工程
【2022年度】
•製造拠点の建設予定地として北海道千歳市 を選定
• IBM と共同開発パートナーシップを締結
• Imec とMOCを締結
• EUV 露光装置の発注
• 短TAT生産システムに必要な装置、搬送システム、生産管理システムの仕様を策定
【2023年度】
•北海道千歳市のパイロットライ ンの基礎工事
• IBM アルバニー研究所へ究員を派遣
• Imec研のコアプログラムに参加
• 短TAT生産システムに必要な装置、搬送システム、生産管理システムの開発
【2024年度】
•北海道千歳市のパイロットラインにEUV 含む設備導入開始
• IBM への技術者派遣による 2 ナノ製造技術の高度化
• 短TAT生産システムに必要な装置、搬送システム、生産管理システムの開発
【2025年度】
•2ナノ世代半導体の量産技術開発を進め、 先行顧客向け開発キット (PDK)を開発
• 北海道千歳市のパイロットラインの稼働開始
• 短TAT生産システムに必要な装置 、搬送システム、生産管理システムの開発及びパイロットラインへの導入
【今後の取り組み】
•2ナノ世代半導体の短TATパイロットラインの構築と、テストチップによる実証。 特に、以下2点が重要
①電気特性 (トランジスタ性能)のさらなる改善
②歩留まり (良品率)のさらなる改善
ー最適プロセスの探索と共に、試作の試行回数を増やし、経験を蓄積
ークリーンルーム内のゴミ対策などの欠陥対策を徹底的に講じる
• その成果をもとに 先端ロジックファウンドリとして事業化
後工程
【2024年度】
• 先端パッケージング技術(大規模パネル、インターポーザ、 3次元実装技術等)の開発に着手
• 国際連携として、米IBM, 独 Fraunhofer, 星A*STARと 連携
【2025年度】
• 2.xD, 3Dパッケージ製造技術の開発を進め、要素プロセス技術を確立 。
• 北海道千歳市のパイロットラインの稼働開始 。
• 2.xD, 3Dパッケージ設計のリファレンスフロー構築 。
顧客獲得に関する取組
今後、AIデータセンター向け、エッジ端末向け(自動車、ロボティクス等)等を中心に次世代半導体のマクロ需要は大きく伸長。需要に対して供給が追い付かない状況が想定。
2030年度の2ナノ半導体の世界市場は、需要に対して供給が10~30%不足見込み。複数のソースの分析においても同水準の需給ギャップが報告。
Rapidus社は枚葉方式や新たな方式の搬送システム*等の差別化技術により、従来と比べ設計や試作改善・製造に要する期間を短期化することで、顧客の獲得を目指す。
*参考:ラピダスが採用した新搬送システムとは?|情ポヨ

Rapidusに対する政府保有株式の概要
> 政府/IPAが筆頭株主となるため、最大の民間株主の保有割合に+1%を上限として議決権保有
> 有事の際に総会における特別議決に必要な2/3以上の議決権を保有できるようにすべき
> 経済安保等の観点から、事業者の重要な決定事項に拒否権を行使できる”黄金株”を保有
Rapidusに対する政府によるモニタリング項目と今後のマイルストーン
政府によるモニタリング項目
【技術面】
NEDOプロジェクト(前工程・後工程)のステージゲート項目
トランジスタ性能改善、歩留まり改善の状況、PDK等の開発状況、 後続ノード等の技術開発状況、必要な技術人材を確保・育成す るための取組状況 等
【事業面】
事業計画において想定した市場・競争環境と実際の環境の乖離 の有無及びその程度
営業活動の状況、設備投資の進捗状況、業界の技術動向 等
【財務・ガバナンス面】
貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の内容
取締役の構成等、ガバナンス体制に関する方針と取組状況 等
【その他】
雇用創出、投資誘発、経済的波及効果等の指標、国の機関や 地元自治体・教育機関・経済団体等との連携状況 等
Rapidusの今後のマイルストーン
2025年度後半:先行評価用PDKリリース
2026年度後半:PDKリリース
2027年度後半:前工程に関するNEDOプロジェクト完了
2027年度後半:2nm世代の量産開始
2027年度後半:後工程に関するNEDOプロジェクト完了
2028年度前半:先端パッケージの量産開始
2029年度頃:営業キャッシュ・フロー黒字化
2031年度頃:フリー・キャッシュ・フロー黒字化
2031年度頃:株式市場への上場


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